法律相談 #157

法律相談
Q
私が長年交際している男性が、難病で入院していますが、医師からは余命数日と宣告とされてしまいました。男性には妻も子もいませんが、長年疎遠になっている兄が一人います。男性が死亡すれば兄が相続することになりますが、男性は私に遺産を渡すことを希望しています。どうしたらいいでしょうか。
A

やるべきことは、意識があるうちに遺言書を作成することです。遺言書の形式には公正証書遺言もありますが、公証人の手配など時間がかかります。まだ自分で字が書ける状態であれば、自筆証書遺言で十分です。
 遺言書は、ボールペンなどの筆記具(鉛筆は消えるのでダメ)と紙と印鑑さえあればすぐに作成できます。「私の全財産を〇〇に取得させる 令和7年12月〇日 氏名〇×△□」と書いて押印をすれば遺言書として完成です。
 ただし、死亡直前に作成した遺言書は、後日になって、男性が自分の真意で記載したかどうか疑わしいと言われて争いになる可能性もあります。だから、遺言書を作成している様子を写真やビデオで撮影するなどしておくといいでしょう。
 また、遺言書は法律の定める要式(①自書すること、②作成日付を記載する、③押印する)がひとつでも欠けていると無効になってしまいます。それを回避するためには、弁護士に事情を伝えて病院に来てもらい、弁護士に指導してもらいながら、遺言書の作成をするのがもっとも確実です。遺言書を作成する人も安心することでしょう。

今月の無料相談:11/11(火)10:00~

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