法律相談 #115

自転車で歩道を走行していたところ、前方に歩行者がいたのでよけてもらおうと思ってベルを鳴らしたのですが、よけてくれず、その歩行者と接触してケガを負わせてしまいました。自分に責任があるとは思いますが、歩行者にも落ち度はなかったのでしょうか?

自転車は、道路交通法(以下「道交法」という)上は「車両(軽車両)」に含まれ、道交法の適用を受けます。そのため、原則として歩道と車道の区別ある道路においては車道を通行しなければなりません。歩道を通行できるのは、車道または交通の状況に照らして自転車の通行安全確保のため歩道通行がやむを得ないときなどに限られます。
歩道を自転車が通行できる場合でも、「走る」ことはできません。できるのは「徐行」です。その「徐行」はすぐ停止できる速度のことで、時速6~8㎞程度と理解されています。
以上のとおり、自転車は歩道での通行を厳しく規制されています。そのため、歩行者は、歩道上で自転車に対して注意を払う義務は負っていないと考えられます。
したがって、前方の歩行者との接触を避ける義務は自転車の運転者が負うこととなります。接触の危険があるのであれば、自転車から降りて歩行者の横を歩くべきであり、ベルを鳴らしたからといって運転者の責任が軽減される(歩行者に落ち度が認められる)ことにはなりません。自転車側と歩行者との過失割合は10:0になるのではないかと思われます。
歩道には、子どももお年寄りもいます。自転車の通行には十分注意することを心がけてください。

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