法律相談 #142

大手住宅建築業者の営業マンが、私の自宅に来て「家を建て替えてみては?」と言ってきました。私は、安易な気持ちで見積書の作成をお願いしました。その後、協議を重ねて見積書を作成してもらいましたが、銀行からの借入ができず新築は断念。それを伝えると、業者から設計料を請求されました。支払いをしなければならないのでしょうか。

この場合の業者の言い分は、見積には設計を伴うから、建物の建築契約が成立しなくとも、設計料の請求は当然できる、というものです。しかし、客にしてみれば、設計契約を交わしたわけでもなく、気軽に見積を頼んだだけ、なんで設計料を請求されるんだと憤慨します。
 当初から業者が設計料が発生することを説明すれば問題ないのでしょうが、それを最初から言ってしまえば成約に繋がらないので言いにくい、こういう事情から事件が起こってしまうように思われます。
 簡略な図面であれば営業行為に過ぎないでしょうが、話し合いが進み、見積書の作成にあたって精密な設計図面が作成されたのであれば、業者は、正当な設計料の支払いを請求できます。
 ただし、業者に設計料についての説明不足があることは否定できません。特に、建築するかどうかが銀行融資に依存している場合は契約できないことも業者は予測できます。したがって、設計料は業者の落ち度も勘案されて相当な額に制限されることになるでしょう。
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