法律相談#69
出産休暇を取ろうと思うのですが、会社が社員の不利益になる取り扱いをすることはあるのでしょうか。
企業の現場では妊娠を機に退職を迫られたり、産休を取得したことが原因で降格されることがあります。 しかし、労働基準法は、女性が妊娠をすると産前で6週間、産後で8週間の休暇を取得することができる旨規定しています(いわゆる「産休」)。男女雇用機会均等法は、妊娠・出産を理由とする社員にとって不利益となる取り扱いを禁じています。最高裁も、ある企業が妊娠した女性社員を降格させて手当の減額をした事例で、その処分が本人の自由な意思にもとづく場合あるいは円滑な業務運営に支障が出るなど特段の事情があるという場合を除き、妊娠に伴う降格を原則違法であると判断しました。 つまり、法律も司法も、仕事と生活とが両立する生き方を保障してくれているわけです。だから不利益な取り扱いはされないはずです。ただし、会社も、一人の社員だけが相手だと軽くあしらうかもしれません。 大事なのは、自分の権利を実現しようとする勇気を持つことです。よい制度があってもそれを実行できなければ絵に描いた餅です。会社に労働組合があれば組合に相談するのもいいし、不利益な取り扱いがなされたら労働基準監督署や都道府県の労働局に相談するのもいいでしょう。専門家がバックについていれば、会社も法を尊重せざるを得ません。ぜひがんばってください。 今月の無料相談 次回は8月2日(木)10:00~