法律相談#93

夫が住宅ローンを組み、その保証人に私がなり、金融機関からお金を借りて家を建てました。ところが、今回離婚することとなり、私は家を出ることにしましたが、夫も一人で住むには大きすぎるということで結局家を売却することを決意しました。こういう場合、私の保証はどうなるのでしょうか? 離婚を理由に保証を免れることはできますか?

家の売却金で住宅ローンの残金を完済できるのであれば、保証債務も消滅することになりますから、何の問題もありません。
しかし、住宅ローンの返済期間は長期であることが多く、数年経過してもなかなか債務額は減りませんが、住宅の価値は使用年数に応じて確実に下がります。そのため、返済の途中で住宅を売買する際に、住宅ローンの残債務額が住宅の時価を上回っている場合がよくあります。これをオーバーローンといいます。
オーバーローンの状態だと、売却しても債務が残ります。残債務は、住宅ローンの主債務者(設例の場合は夫)が支払をしなければなりませんし、主債務者が支払できない場合は保証人が責任を負わなければなりません。
なお、離婚をすることを理由に保証人がその責任を免れることはできません。保証は金融機関との契約ですから、離婚することと保証契約とは関係がないからです。  住宅ローンを組む場合には、将来のリスクも考慮しながら計画を立てることが必要です。

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