妊活相談室#37
排卵誘発剤には、飲み薬と注射があると聞きましたが、どこが違うのですか?
卵胞(卵子の入っている袋)を刺激する薬が排卵誘発剤と言われています。大きく分けると内服薬と注射に分けられますが、基本的に卵胞への働き方が違います。内服薬で一番使われているのは圧倒的にクロミフェン(商品名クロミッド○Rと言い、この呼び名の方が有名)です。その働き方は直接卵巣への刺激はせず、自然周期の刺激を強めに誘導する作用です。自然周期に近い刺激なので使いやすく、治療初回から2~3周期はこの薬を使用します。ただ自然周期で妊娠しない方を対象としており、それほど妊娠率は高くないので、途中で誘発剤の注射を追加します。この方法では、妊娠成立までの注射回数は3~4回の方が多いです。注意しなければいけないのは、この内服薬にはその作用の特性から子宮内膜が薄くなる点と、子宮頸管粘液が出なくなることがある点です。有名な教授が、「妊娠できにくい人が飲み続ければ避妊薬になる」と言ったのがこの内服薬です。特殊な人を除いて、内服薬を3周期位使用して妊娠しなければ注射薬で治療した方が妊娠率はいいです。注射薬を連日使用してタイミング法や人工授精の方法をとれば、妊娠は高率で望めます。
当院での各方法別による妊娠内訳は当院ホームページをご覧ください。
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