法律相談 #79
現在の会社に「試用期間」が6か月という条件で入社して誠実に働いてきました。しかし、社長から「本採用はしない」と言われ、6か月の期間経過を理由に退職を余儀なくされてしまいました。こんなことは許されるのでしょうか。
多くの企業は、正規従業員を採用する際、入社後の一定期間を試用期間とし、その間に実際に労働させる中で適正を評価して本採用するかどうかを決定する、つまり労働者に不適格事由があれば解雇もありうることを就業規則あるいは労働契約書で定めています。
企業としては、採用決定の当初において労働者の資質、能力などがその企業の経営目的や当該業務に適合しているものかどうかは十分に把握することができません。そこで、試用期間中にその労働状況など観察あるいは調査して最終的に採用するかどうかを決定することは、やむを得ないものと考えられています。
しかし、何の合理的な根拠もなく本採用を拒否することは違法です。最高裁判決も、試用期間中の解雇は、通常の解雇よりも広い範囲で認められるべきであるが、その解約権の行使は、試用期間の趣旨・目的に照らして客観的に合理的な理由が必要である、と判断しています。
あなたの場合には、社長が試用期間の趣旨を、その期間中であれば自由に解雇できると勘違いしている節があります。早めに専門家に相談してみてください。今月の無料相談 次回は6月3日(火)10:00~