妊活相談室 #119


手術をして子宮をとることになりました。ホルモン不足になり、早く更年期になるのではと不安です。

基本的に子宮は、ホルモンを受け取る臓器でホルモンを産生することはありませんので心配はありませんと、41年間説明して参りました。最近やっとこれを裏付ける論文が発表されました。医学雑誌『Obstetrics & Gynecology』の本年2月号に掲載されていますのでご紹介いたします。抗ミューラリアンホルモン(AMH)という、残りの卵子の数に比例するホルモンを測定した内容です。この研究では、子宮摘出術を行った症例は、自然閉経例と比較しても、術後のAMHレベルの急激な低下をもたらさないことがわかりました。しかし女性ホルモンを産生している卵巣の手術症例では、違った結果でした。
両側卵巣を切除した症例では、全摘出と一致してAMHの急激な低下を示しました。片方の卵巣を摘出した場合は、ちょうど卵巣全摘出例と卵巣を温存させた子宮全摘例の中間のAMHの減少の仕方です。40年ほど前は、片方の卵巣を摘出してもひとつ残っているので排卵があるから大丈夫と話をしていましたが、片方の卵巣を取るだけでも卵子は減ることがわかりました。卵巣手術は、卵胞を減少させるため女性ホルモンの産生に影響が出ますが、子宮摘出では女性ホルモンの産生には影響を与えることはありませんので安心してください(詳細は、HP cocola妊活プラスで)。

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