妊活相談室#27

排卵誘発剤を使ったタイミング法で妊娠しませんでした。ステップアップを勧められましたが、人工授精や体外受精などの治療でも排卵誘発剤は使いますか?

  排卵誘発剤を使った治療が一般的です。現在、人工授精に使用している精子洗浄法が導入されたのが昭和の終わりころですが、当初50例に誘発剤を使わずに自然周期で行ったところ1例も妊娠しませんでした。その後、排卵誘発剤を使用し、妊娠率が上昇しました。ただ誘発剤も内服薬と注射剤がありますが、内服薬より注射剤をお勧めします。内服薬はその作用から自然周期に近い刺激しかないからです。自然周期で妊娠しない方を対象としていますので、ダイレクトに卵巣を刺激する注射剤の方が妊娠率は良いということになります。当院の人工授精1100周期のデータから、妊娠した症例の排卵数は妊娠しない症例の排卵数よりも有意に多く排卵していますが※、すべて注射剤のみによる排卵誘発です。体外受精も同様で、妊娠率が一番良いのは採卵できた卵子の数が15個であるとアメリカの有名な学会誌にデータ※が出ています。採卵数を15個採るためには、注射剤を使わないと難しいと思います。最終的には妊娠の決め手は卵子ということが言えると思います。人工授精について当院での治療方針は、当院ホームページの一般不妊治療をご覧ください。
※当院ホームページ「教えて妊活プラス」をご覧ください。

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