#30 ペット料理研究家 中山 仁さん
ペット料理研究家
中山 仁さん (52)
兵庫県宝塚市出身
妙高市在住歴22年
取材中にちょうど食材が届いた。赤身の牛ひき肉に緑の濃い葉物野菜。ディナーは高級ハンバーグ? いえいえ、これは愛情たっぷり「犬ごはん」の材料。全国の愛犬家のためにスタッフ4名と中山さん、妻の6人で作っている。大学時代、関西から深夜バスで妙高によくスキーに来た。いったん就職したが、山でスキーをしながら暮らしたいとカナダに渡る。しかし仕事探しに苦戦し1年で帰国。山で暮らすなら宿泊業しかないと決め物件を探した。赤倉で売りに出ていたペンションを気に入り、開業したのが2000年。同時に結婚。やがて犬を飼い始め、犬と泊まれるDog’s Innとして再スタート。その愛犬デュークがアレルギー症状に悩まされるようになった。これは食べ物のせいだと直感し、ドライフードをやめて自分で作ることに。試行錯誤の結果、デュークが喜んで食べる食事ができ上り、症状も改善していった。おすそ分けが評判になり、2008年販売をスタート。そっちが忙しくなりすぎてDog’s Innは現在も休止中。人間と変わらないものを食べさせたいという思いで、米は新潟県産コシヒカリ、水は地元の湧き水を汲んでくる。忙しさゆえ本来の目的だったスキーはシーズン中1~2回だが、妙高には雪だけでなく、それが育む食材も豊富だった。佐賀県出身の妻ももう雪には慣れっこ、3人の子どもたちにはここが故郷だ。「そろそろ地元に貢献しなくてはと思っている」と中山さん。彼の運命を変えたデュークはご主人様が次に何をやってくれるか、今は天国で見守っている。
歯ごたえを残した「おじや」風につくる「手作り犬ごはん」。おいしくて栄養価が高いので高齢者に食べさせたいという声もあるほど。
新型コロナの様子を見つつ、Dog’s Innの再開も目指している。
手作り犬ごはん
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