漢方でととのえるvol.14「がんの漢方」

 がん細胞は、そのほとんどがストレスや過労、睡眠不足、飲食の不摂生などから正常細胞が変異して生まれます。漢方では「ふせいきょじゃ扶正祛邪」という原則があり、「扶正」とは、正気(体力・抵抗力)を増強すること。「祛邪」とは、体にとって不都合なものを取り除くことです。がん治療において「祛邪」は抗がん剤などの西洋医学。漢方の大きな役割は「扶正」で体力、免疫力を上げていくことです。生薬で言えば人参、たいそう大棗、 とうき当帰など補うものもそのひとつです。ただ「扶正」で最も大切なのは、ご本人とそのご家族が前に向かっていく力です。
実は私の娘が2歳半の時「急性リンパ性白血病」と診断され3年間の闘病生活を送りました。その娘もこの春、無事嫁ぐことができ、当時を思い出し書かせていただきました。どんな病でも「受け入れて前へ進む」ことが改善へのカギかもしれませんね。