ここらオタクイズ vol. 47「地すべり資料館って知ってる?」答え(2025年2月号掲載)

これであなたもここらの達人! ここらオタクイズ

ここら(上越・柏崎地域)の歴史、文化、自然を知って、もっとここらを好きになっちゃおう!

映像や模型、実験などで地すべりをはじめとする自然災害や防災について学べる、日本で初めての本格的な「地すべり資料館」にまつわるクイズです。
(出題者:上越地域振興局妙高砂防事務所)

 


Q1.約800年前の大規模な地すべりで地面に埋没し館内に展示されているものは何でしょうか?
①樹木 ②岩 ③家屋

【答え】①樹木

【解説】今からおよそ800年前、下久々野集落に大規模な地すべりが発生し、大熊川をせき止めて対岸の釜塚山まで達し、大きな湖ができました。集落間の往来には船を使ったといいます。この埋もれ木はこの時の地すべりで押し倒されて埋没したもので、平成2年11月30日、下久々野地区の圃場整備現場から発掘されました。伝説を裏付ける貴重な資料です。

 


Q2.令和3~5年の3年間で一番地すべりが多く発生した都道府県はどこでしょうか?
①静岡県 ②長野県 ③新潟県

【答え】③新潟県

【解説】国土交通省が発表している「過去の都道府県別土砂災害発生件数(平成15年以降)」のデータによると、新潟県は令和3年は23件、令和4年は13件、令和5年は29件と全国でも飛びぬけて地すべりが多く発生しています。

 


Q3.隣接する人柱供養堂には地すべり防止のため人柱となった旅の僧が祀られていますが、地すべりを起こすといわれていた生き物は何でしょうか?
①鬼 ②大蛇 ③なまず

【答え】②大蛇

【解説】人柱伝説…昔、一人の旅僧が、信濃の国から黒倉峠を越えて、越後にやってきた。その途中で、大蛇が何匹も集まって、話をしているのが聞こえた。僧がじっと耳をすませて聞いていると、それは、「黒倉山から流れ出る大熊川や姫鶴川を、地すべりを起こしてせき止めて大きな池を作り、我々の住み処にしよう。」という相談だった。「もし、このことが人間に知られて、栗の木の杭を四十八叩きにして深く打ち込まれ、人柱を建てられたら、地すべりが止まってしまうので、知られないうちに実行しよう。」とも言っていた。僧が驚いて震えていると、大蛇に見つかってしまった。大蛇は「今の話を聞いた以上は、ここを通すわけにはいかない」という。僧は誰にも話さないと誓った。そして大蛇に「もし他言すれば、命はないものと思え!」と脅かされて、命からがら猿供養寺の村にたどり着いた。ところが村に着いてみると、地すべりにより村は荒れており、村人たちは希望を失い、村を離散しようかと相談していた。僧は哀れに思い、村人たちに大蛇の話をし、四十八叩きの秘法と人柱のことを教えた。それを聞いた村人たちは、さっそく四十八叩きは行ったが、人柱の人選はなかなかできなかった。僧は、「私は大蛇との約束を破って、四十八叩きの秘法を話してしまった。私はいずれ大蛇に殺される。私が人柱になろう。民衆を救うのは僧のつとめだ。」と言って、自ら進んで人柱になった。それ以降、地すべりはピタリと止まった。この話は、村人の間で語りつがれていたものであるが、昭和 12 年に客土のため田んぼを掘っていたところ、高さ90cm直径69cmの大きな素焼きのかめが見つかり、その中から座禅を組んだ人骨が発見された。村人たちは伝説が本当のことだと分かり、僧に感謝して、骨が発見された場所に、人柱供養堂を建てた。昭和36年に新潟大学がその人骨を調べたところ、鎌倉時代末期の40代くらいの男性の人骨であると判明した。人骨は、小柄であるわりには脚の骨が太く、腕の骨は細かった。地元の農民であれば、もっと腕の骨が太いはずであり、農作業には携わらずに諸国を行脚している旅の僧のものであろうと推定された。平成4年には、新潟県によって隣に地すべり資料館が建てられ、それと同時に人柱供養堂も人々の寄付によって建て替えられ、今の立派なお堂になった。
以上は新潟県のホームページより引用