法律相談 #25「私には長男と次男がいます。長男が家を継いでくれたので自宅は長男に遺してあげたいと思います」

私には長男と次男がいます。長男が家を継いでくれたので自宅は長男に遺してあげたいと思います。遺言書を作成したほうがよいでしょうか。

  遺言書作成の目的は死後の遺産をめぐる紛争を防止することにあります。遺言書で自宅は長男に取得させると遺しておけば、たしかに遺産の分割方法をめぐって争うことはありません。だからといって、遺言書を書けばいいとは簡単には言えません。
遺言書で相続人間に公平な分割がされていないと、当然に割を食った相続人は不公平感を抱きます。また、公平な分割であったとしても、生前に遺言を作成していたことを知らされていなかった場合に、知らなかった相続人が疎外感、不信感を抱くこともあります。何で私に相談もせずに遺言書なんて作成したのか、水臭いではないか?というものです。
疎外感や不信感というのは合理的なものではないだけに厄介です。この感情が抑えられなくなると、相続人同士の感情的なもつれが顕在化し、法事に呼ばない、呼ばれても行かないというような争い事に発展します。これは、遺言者が望んでいることではないでしょう。
こういう感情論でのいさかい事も防止したいというのであれば、生きているうちに関係者の面前で遺言書を作成するのがいいでしょう。関係者に自分の思いを直接伝えることにより、感情から派生する紛争の防止を期待できるからです。