法律相談 #30「会社での残業が続いていたため、深夜作業中に居眠りが原因で、工作機械を壊してしまいました」

 会社での残業が続いていたため、深夜作業中に居眠りが原因で、工作機械を壊してしまいました。会社から修理費の支払いを求められています。全額の支払いをしなければいけないのでしょうか。

  あなたには事故を起こしたことについての過失がありますが、居眠りをするほどの業務をさせていたということについては会社にも責任があります。
会社は、労働者の生命や健康に配慮する義務があり、あなたの会社はこの義務に違反していると考えられます。
しかも、会社は労働者を雇用することによって収益を上げることができるわけですから、その労働者を使用する過程で生じた事故については責任を負担することが公平と考えられます。また、企業はその業務内容を掌握し労働者を管理しているわけですから、そのリスクの防止もできます。
以上から、会社はあなたに修理費を全額請求することはできません。
裁判所で争われた場合、①労働者の過失の程度、②労働者の地位、職務内容、労働条件、③損害発生に対する使用者の寄与度(業務指示の適否、リスク分散の有無)などの事情に照らし、請求額が具体的に制限されることになります。例えば、本件のような場合、損害額の4分の1限度で労働者の責任を認めた判決があります。