妊活相談室 #7「妊娠はするのですが、なかなかお腹で育たず…」

妊娠はするのですが、なかなかお腹で育たず流産してしまいます。大きな原因はなんでしょうか・・・。

  一般的に流産は妊娠の15%くらいに認められますが、2回以上の流産・死産の既往がある場合、不育症と定義されることが厚労省班研究から提唱されました。その頻度は2回以上の流産歴の女性は4・2%、3回以上は0・88%とされています。不育症のリスク因子(原因)は、子宮形態異常7・8%、甲状腺機能異常6・8%、染色体構造異常(夫婦染色体異常)4・6%、抗リン脂質抗体陽性10・2%、第Ⅻ因子欠乏症7・2%、プロテインS欠乏症7・4%、プロテインC欠乏症0・2%、原因不明65・3%です。治療の進め方としては、早期に一次スクリーニングや選択的検査などを行いリスク因子の有無を検査します。リスク因子の検査で異常が見つかった場合、リスク因子ごとの治療方針に沿って治療を行っていくことになります。リスク因子ごとの治療内容に関しては難しい内容になりますので、紙面では省略させていただきます。問題となるのはリスク因子が判明できない65・3%を占める原因不明症例の対応です。原因不明のケースについて説明します。
流産絨毛(絨毛とは胎盤のもとになるものです)の80%に染色体異常を認め、また不育症の平均流産回数は2・8回とされるため、不育症の約50%(0.8=0・513)のカップルは偶然にも染色体異常を繰り返し発生させた症例ということになります。つまり不育症の全カップルが何かリスクがあって流産を繰り返すのではなく、50%のカップルが偶然に流産を繰り返していると考えてください。ちなみに原因不明不育症例にはアスピリンやヘパリン療法は効果がないと報告されています。ではどのような治療が必要かというと、検査の結果リスク因子がないことが判明しましたら、次回の妊娠については何もしないでチャレンジしていただくのがベストだと思います。
他の疾患と異なり不育症の原因は多岐にわたっており、明らかな異常である子宮形態異常、夫婦染色体異常でも医療の介入がなくても出産が可能です。今ある検査法を十分に活用し、カウンセリングを十分に受けていただき治療にあたる必要があるでしょう。

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