妊活相談室#76


卵巣年齢のホルモン検査をしたら、年齢平均より高い数値だと言われました。
妊娠はいつでも大丈夫ですか?(30歳代後半女性)

 卵巣年齢のホルモンとは、抗ミュラー管ホルモン(AMH)のことです。AMHは、卵子を取り巻いている顆粒膜細胞から分泌されるため、AMHの値は残っている卵子の数に比例すると考えられています。そのため10年以上前のデビュー時 (測定開始時)には、アメリカで卵巣年齢を表すホルモンと紹介されそのまま日本にも上陸しました。
しかし現在では、その表現は適切ではないと考えられております。AMHの評価の仕方は、妊娠のために提供しうる卵子の数を反映するもので卵子の質を評価するものではありません。また、AMHの値が高値であると妊娠しやすい訳でもありません。卵子の質と量という点から考えると、AMHは卵子の量を示します。では、卵子の質はというと、女性の年齢です。卵子は、生まれてから二度と作られませんから女性の年齢と一緒に老化していきます。老化した卵子だと排卵時に染色体の構造的異常が起き、受精卵になると染色体の異常はさらに多くなります。その結果、その受精卵が着床しても妊娠に至ることはありません。卵巣年齢=女性の年齢と考えるのが妥当です。妊娠する目安は、女性の年齢ということになります。

※詳細は大島クリニックのホームページ

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