漢方でととのえるvol.20 痔の原因は「瘀血」!

冬は血流が一番悪くなり痔が悪化する季節です。痔には じかく 痔核(いぼじ)・ れっこう 裂肛(きれじ)・ じろう 痔瘻(あなじ)などがあり、漢方ではいずれも おけつ 瘀血が原因と考え、主に「肝臓」の弱りからくる「心臓」への血行不良です。肛門部の周りには網の目状に静脈(門脈)があり肝臓に向かって上に登っていきます。この門脈は逆流を防ぐための弁がなく、うっ血を起こしやすいので、肝臓のポンプ力が大切。西洋医学では主に炎症を抑える外用薬、症状が重ければ手術という対処療法なので良くなってもまた繰り返す方が多いです。痔の漢方で代表的なのは、「おつじとう乙字湯」や「けいしぶくりょうがん桂枝茯苓丸」ですが、まずは養生法が大切。長時間の座業の方は時々体を動かし血流改善をする、過度のアルコールを控える、便秘の習慣を改善し、いきみ癖を治す、等々。症状が酷い時は応急的に横になることも有効です。
これからますます血流の悪くなる季節。痔持ちの方はまずは体を冷やさず、ストレスを溜めずに「肝」をいたわってくださいね。