法律相談 #138

私の実家の土地建物は、父が死亡して数年経っても登記簿上は父名義のままになっています。相続人は私と姉ですが、仲が悪く遺産分割の話をしてこなかったからです。令和6年4月1日より、相続登記が義務化されたと聞きました。私たちのような場合でも、登記しなければならないのでしょうか。

相続登記とは、相続により所有権が死亡した人から相続人に移転した旨を登記簿上に登録することです。今までは、この相続登記をすることは義務ではありませんでした。
 しかし、相続登記がされないままだと、所有者が特定できない空き家や空き地が増加して適切に処分できなくなり、社会問題になっていました。そこで、不動産の所有者を明確にする相続登記の義務化が決定されたのです。
 この法律改正により、相続の開始および所有権を取得したと知った日から3年以内に相続登記をすることが義務付けられました。そして、正当な理由なしに3年以内に登記しなかった場合には10万円以下の過料が課されることとなりました。なお、これは法改正前に相続した不動産の場合にも適用されます。したがって、設例の場合も、法の適用対象となりますから、早急に遺産分割協議を進めましょう。
 ただし、相続人同士の仲が悪ければ、協議が長引くことも予想されます。この場合には「相続人申告登記」という制度を利用しましょう。相続登記を簡単にした制度で、これをしておけば過料の制裁を免れることができます。詳しくは弁護士、司法書士などの専門家に相談してみてください。
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