法律相談#77

保釈とは何ですか。保釈金は返還されるのですか。

犯罪の被疑者になると、逮捕勾留により警察の留置場などで一定の期間身柄を拘束されることがあります。 しかし、長期の身柄拘束は被告人の社会復帰を妨げることになります。例えば、身柄拘束が続いたことを理由に解雇されたりすることはよくあります。そこで、法は、起訴後は保釈(身柄拘束から解放すること)を原則として認めることとしています。 ただし、被告人に証拠隠滅のおそれがある場合や事件の関係者に危害を加えるおそれがあるなどの場合には保釈が認められません。かつては、被告人が否認をしているだけで裁判所は保釈を認めませんでした。これは「人質司法」と批判されてきました。 保釈にあたっては、保釈金を納める必要があります(ゴーン被告人の場合は10億円でしたね)。被告人が刑事裁判に出廷することを確保する必要があるからです。逃亡したら保釈金を没収するということにして心理的に出廷を強制するわけです。 ですから、保釈金は裁判所に対する一種の預け金です。裁判に出廷していれば、裁判終了後にこの保釈金は戻ってきます。 保釈金の額ですが、犯罪の性質、情状、被告人の性格、資力などを総合考慮して被告人が「没収されたら困る」程度の金額が設定されることになります。 今月の無料相談 次回は4月8日(月)10:00~