第20回 cocola部アンケート「ここらのトラブル・困りごとについて」
予想できないタイミングや内容で直面する可能性があるトラブルや困りごと。
ここらの人はどんなことに困ったり悩んだりしているのか聞いてみました。
本誌「なんとかなるさぁ~法律相談」の連載でおなじみ、弁護士の馬場先生にも
最近の相談内容の傾向などを聞いてみました。
Q1 身近なトラブルや困りごとで、だれかに相談したいことはありますか?
Q2 Q1であると回答した方にお聞きします。
それを誰に相談しようと思いますか? またはしましたか?
Q3 これまでに経験したトラブル、困りごとをおしえてください。
・隣の空き家問題(50代女性)
・0代のころ、仲がいいと思っていた友人にクレジットカードを無断使用されたことがあります。共通の知人に仲介に入ってもらってお金は返してもらったけどそれ以来気まずくて疎遠になってしまいました。(40代女性)
・あまり思い当たらない(30代女性)
・アパートの隣人の騒音(20代女性)
・同居する義両親が、義祖母の葬儀が終わった直接、葬儀代を払って欲しいと言ってきた。そんな事を軽々と言ってくるような人と一緒に住んでいるのは危険と感じ、離婚を決意し家出したが、旦那に説得され戻された。(30代女性)
・ネットで覚えのない購入履歴があり、すぐに電話してキャンセルしました。自分のアカウントやカード情報が漏洩していたのかと思うとすごく怖いです。夫、会社、警察などに相談しました。(20代女性)
・隣の空き家問題。行政は個人の資産に介入できないと傍観。迷惑に関しての解決はないまま、家が取り壊されたので問題は消滅しました。(50代女性)
・事故の相手が物損については示談に応じず、怪我がないと言っていたにもかかわらず医療費の請求をしてきた(60代男性)
・病気で手術後に、職場復帰出来ない症状だが将来的に問題ないと、傷病手当ての申請書類を医師に拒否された。(50代女性)
・購入した商品が届かない。日本製の商品ですがよく見たら販売元が海外で、冷静に考えたら怪しいですよね。勉強料だと思い、諦めました。(40代女性)
・悪徳祈祷による1500万円の詐欺被害
証拠品を持参して警察に相談したが、被害届は出してもらえず 弁護士に相談したが”被害額の回収は難しい”ということで 1円も戻ってこなかった(40代女性)
・ネットワーク商法
友人に呼びだされて高額商品を買わされました。その友人とは関係を断ちました。クレジットは解約できず最後まで支払った。(50代女性)
・ネットオークションでのこと。届いた商品が気に入らないというクレームで(商品の状態等は写真や説明で記載していたはずなのですが)いきなり電話がかかってきて返す返せないでトラブルになりました。結局、こちらが折れて返品対応しました。それ以来、より一層気を付けて商品説明をするようにしました。(50代男性)
・自分の軽率な発言で会社の部下に気になるようなことをしたことがあります。以後気を付けるようにと指導がありましたが,ハラスメントの点から,線引きが難しいのが現状です。(30代男性)
Q4 弁護士に相談してみたいことがあればお書きください。
・義父が過去に払った借金の過払金はあるか(30代女性)
・物損の示談を進めたい(60代男性)
・傷病手当ては患者の権利だと思いますが、医師の診断書が全ての判断です。他に対応策はありますか?(50代女性)
・離婚をどのように進めていけばよいか。(50代女性)
・相続(50代男性)
<調査対象> 上越地域にお住まいの男女約180名(20代~60代) ご協力ありがとうございました。
馬場秀幸弁護士の「なんとかなるさぁ~法律相談」
連載100回記念! インタビュー
馬場 秀幸(ばば ひでゆき)
新潟県立高田高等学校卒業
東京大学法学部卒業
趣味は映画観賞、読書、散歩
好きな食べ物はカレー
Q1 アンケート結果をみるとインターネットに関するトラブルが多いのですが、最近増えてきた相談事などはありますか?
私たちが取り扱う事件は、社会の変化を反映しています。最近は、ご質問のとおりネット上のトラブルが多いです。匿名者の書き込みで被害を受けたという事件はよく聞きます。書き込んだ 人間が誰であるかを突き止めることはひと苦労です。 もうひとつは、高齢化社会の進展や家族関係の複雑化に伴うトラブルです。高齢者で判断能力が衰えた人をサポートする成年後見の事件、家族間の感情の行き違いで相続がややこしくなるなど問題が増加しています。この傾向はしばらく続くのではないでしょうか。
Q2 上記アンケート結果で気になることはありますか?
相談先が〝弁護士?と回答した方々が2.9%でしかなかったのは、かなりショックです(苦笑)。皆さんにとってはまだまだ敷居が高いのだということに気づかされました。
上越地域でいえば、20年前は弁護士が5人程度しかいなかったのですが現在では20名を超えています。以前よりは相談しやすい体制になっているので、困りごとができたら、ぜひ利用してください。
Q3 得意とする分野はありますか?
自分で得意だといえる分野はないですね。ただし、地域の皆さまのお役に立ちたいと思っていますので、〝債務整理?〝離婚?〝相続?〝労働?
など一般的な事件は、どんな場合にでも対応できるように心がけています。
Q4 弁護士や専門家に相談する際に気をつけたほうがいいことはありますか?
法律問題はふだん関わらないと思うのでわからないことが多いと思います。だからこそ、知らないことは知らないとはっきり言って質問してください。それに誠実に回答をすることは弁護士側の能力を高めることにもなりますので。