法律相談 #109

ある日、私の上司の課長が私の机の前にやってきて「おまえはいつもおしゃべりばかりしている」「能力もない」など私の人格を否定する発言をくり返しました。これってパワーハラスメント(パワハラ)ではありませんか。周りの従業員も聞いていたのですが、突然だったので録音はしていませんでした。訴えることはできますか。

2019年成立のパワハラ防止法は、パワハラを職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務上の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える行為、と定義付けています。課長が、ほかの従業員がいる中で部下であるあなたに向かって人格を否定したり叱責をくり返したりしたのですから、パワハラに該当することは明白です。
パワハラ防止法によれば、事業主は労働者からの苦情があれば、事実関係を迅速かつ適正に把握し、事実関係の確認ができた場合には速やかに被害者に対する配慮のための措置を講じたり、加害者に謝罪などの措置をとらせることになっています(ただし、この法律は昨年大企業で施行されましたが、中小企業は来年4月からの施行が予定されています)。まずは、会社に苦情を申し立ててみてはいかがでしょうか。
会社の対応に納得いかない場合は裁判所で訴訟をすることも可能です。課長の発言の録音がなくても、周りにいた従業員が協力して証言できるような状況であれば、パワハラの事実の立証は可能ではないかと思います。

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