法律相談 #114

友人から、100万円を貸してほしいと言われました。一括での返済は難しいので、月額10万円ずつ10回の分割払いでお願いしたいとのことです。大切な友だちなので貸す予定ですが、どのようなことに注意すればいいでしょうか。

借主に一括で返済する資力がないのであれば分割払いはやむを得ませんね。ただし、貸した事実、返済方法などを契約書で明確にしておきましょう。例えば、下記のような内容が典型例です。
1 甲は、乙に100万円を本日貸渡した。
2 乙は、令和×年〇月から毎月末日限り10万円ずつ分割して支払う。
3 乙は、1度でも前項の分割金の支払を怠った場合は、当然に同項の期限の利益を失うものとする。
3項は、法律の素人の方々は見落としがちですが、大事な規定です。返済方法を分割払いにした場合、3項の規定がないと、借主が1回目の期限から支払を怠っても、貸主がその時点で請求できるのは10万円のみです。2回目の期限が来ても貸主が支払を請求できるのは20万円、相手が不誠実なのに全額を請求できないのは辛いですよね。
そこで、3項によって、借主が支払を怠った場合には、2項で約束した各月の支払期限をすべて帳消しにして即時に全額を請求できるようにしてしまうのです。これを、「期限の利益喪失条項」と呼んでいます。保証人や担保物件があれば、それにも期限の利益喪失条項の効力は及びますから、早期の回収も可能になります。

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