法律相談 #121

夏祭りに行った時のことです。賑わいの様子をスマホで撮影したら、見知らぬ女性から「何を盗撮してるのよ? 警察に通報するわよ!」なんてすごまれてしまいました。私の行為って犯罪なのでしょうか?

盗撮とは、承諾も得ずに勝手に撮影をすることをいいます。盗撮を取り締まる法令としては各都道府県が定める迷惑行為防止条例があります。例えば、新潟県の迷惑行為防止条例は、道路、公園、広場などの「公共の場所」で「人が通常衣服等で隠している下着または身体をのぞき見し、または無断で撮影すること」やそれに類する「卑わいな言動」を禁止し、違反者は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
 この規定によれば、犯罪になるのは、衣服で隠された下着や身体そのものを撮影対象にする場合に限られているように思われます。ただし、過去の最高裁判決には、ズボンをはいた女性の臀部(お尻)を何回も執拗に撮影した場合にも「卑わいな言動」にあたるとして有罪とした例もあります。裁判所は撮影部位だけでなく撮影行為の状況からも「卑わい」かどうかを判断しているようです。
 夏祭りの賑わいの光景を撮影するだけで処罰されることはありません。ただし、最近はスマホで手軽な撮影が可能になり、悪質な盗撮事件が多発しています。そのため、普通の撮影でも、疑われてしまうことはあります。仮に疑われてしまった場合には逃げるのではなく、すぐに撮影した画像データを見せて誤解を解くことが必要かと思われます。

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