法律相談 #126

夫と別居して1年以上経過していますが、別居して以降、夫は私と子どもに何ら生活費の支払いをしてくれません。まだ離婚していませんが、児童扶養手当の支給を受けることはできないのでしょうか。

離婚や死別あるいは他方の親の養育放棄(「遺棄」と言われている)が原因で、親が子どもを一人で養育することがあります。その経済的困難は相当なものです。児童扶養手当は、ひとり親家庭などの児童が健やかに育つように支給されるものです。
 今回、国が「遺棄」の認定要件を見直しました。従前は、親が行方不明の場合や、親の暴力やアルコール依存症などで子が避難している場合が1年以上継続している場合にのみ「遺棄」が認められていました。
 しかし、今回の見直しでは、これらの事情がなくても、親の一方が監護義務をまったく放棄しており、監護意思及び監護事実が客観的に認められない場合には、「遺棄」に該当する可能性があることが示されました。
 例えば、離婚していない場合でも、親の一方が他方と長期間別居状態で生活費の支払いもされておらず、現実の扶養が期待できない状態の場合には「遺棄」と判断される可能性があります。
 今回の見直しで、児童扶養手当の支給を受ける対象者が事実上広がったものといえます。

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