法律相談 #139

 高齢の母（93歳）に「何か買取るものはありませんか？」と訪問買取業者から依頼がありました。母が「下駄を引取ってほしい」と言ったので、来週、業者が自宅に来ることになりました。今時下駄だけを買い取るなんておかしくて他に目的があるのではないでしょうか？

業者の訪問は断ったほうがいいですね。
我が家も実際に経験しました。業者がやってきたので、自宅にあった下駄を見せたのですが、業者はちらっと見ただけで、「他に何か売るものはないですか？」「指輪とかネックレスとかないですか？」と言ってきました。幸いにも指輪もネックレスもなかったので、下駄だけ買取ってもらって帰っていただきましたが、母一人で対応していたらどうなったことやらと思いました。
訪問買取業は中古品を買い上げてそれを転売して利益を得ています。最近はネットで気軽に取引でき、中古取引の市場規模も拡大傾向にあります。安く買取ればそれだけ利益が大きくなるので、商法も強引になりトラブルも相次いでいます。家に勝手に上がり込んだり、売るものがないといっても部屋を物色して金目のモノをみつけようとしたりする事例があります。
訪問買取業は、特定商取引法で取引のルールが決められていてクーリングオフもできますが、いったん取引が成立して品物を渡してしまうと、事実上品物の返還を求めることは困難です。
「危うきに近寄らず」が一番です。不用品を処分してお金までもらえるなんてことは考えないでください。

今月の無料相談：6/10（月）10：00～