法律相談#31

就業規則(しゅうぎょうきそく)って何ですか。

  就業規則とは、会社が社員全員を対象にして、労働条件や職場の秩序を統一的かつ画一的に定めたルールのことをいいます。
会社は多数の労働者を雇用しますが、労働者それぞれによって雇用条件が違うと煩雑です。また、社員も、雇用条件が他者と違うとすると不満もたまります。そこで、雇用条件をあらかじめ統一的画一的に定めておく必要があるのです。
したがって、会社も社員も、就業規則の内容に拘束されることになります。
例えば、就業規則に退職金の規定があれば、退職の際、その規定に従ってどの社員に対しても退職金の支払いをしなければなりません。特定の従業員への退職金の支払いを拒否することはできません。
また、就業規則には始業時刻、終業時刻も定められています。そのため、上司が恣意的に始業時間を早めるように要求しても、それは就業規則に照らしておかしいと拒否することもできます。
就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する会社であれば、それを作成しなければならないし、その就業規則を常時各作業場の見やすい場所に掲示し、備え付けて労働者に周知させる義務があります。
労使関係の問題でこじれたら、職場の就業規則を読んでみてください。