法律相談#44
求人票に記載された給与額に期待して面接に行ったら、求人票の額よりかなり低い額の賃金を提示されました。これって許されることなのでしょうか。
求人票の記載は、募集段階で企業が提示するものです。他方、雇用契約の具体的な内容は企業が労働者と面接をするなどして確定するものですから、募集時の内容と採用時のそれとが異なっていても法律的には問題はありません。
しかし、労働者は求人票に明示されている内容を期待して企業に雇用の申入れをするわけですから、企業は実際の契約内容と求人票の記載とが異なるのであれば、その理由を説明するべきです。
裁判例には、労働者は求人票に記載の労働条件を前提に雇用の申込をするのであるから、会社と労働者とがそれと異なる内容で合意をしない限り、求人票に記載の労働条件がそのまま雇用契約の内容となる、と判断したものがあります。
企業は、雇用契約締結の際に賃金、労働時間等の労働条件を労働者に明示しなければなりません。求人票との違いに気付いたら早目に企業に確認しましょう。
ハローワークも、求人ホットラインを開設しています。求人票の記載をめぐるトラブルの場合には事実を確認して企業に対して是正指導をする場合もあります。