＃25　孫平（まごばい）books&f lowers店主川合真生（まお）さん

2021年8月26日2021年10月26日 cocola 編集部

孫平（まごばい）books&f lowers店主
川合真生（まお）さん（30歳）

埼玉県草加市出身
糸魚川市在住歴1年

糸魚川の前にも「ここら」在住歴がある。大学で知り合った夫の最初の勤務地上越市に7年前に移り住み、その後、六日町、長岡と転勤。子どもが生まれ転園転校をさせたくないと、昨年糸魚川の夫の実家で二世帯生活を始めた。海も山もある豊かな自然には大満足だが、文化的な刺激を受けるお店がない。少子化も進み、近くの小学校は息子の入学までに統合されると聞いた。せっかく引っ越してきたのになぜ？と納得いかず、市議会に疑問を投げかけた。学校の統廃合などは市民から声が上がって初めて市が動くのだという答えに、はっとした。地域のことはまず住民がどうにかしろということだ。夫の同級生の市議をはじめとするママ友仲間と地元の未来について考えるようになり、自分も何かしたいと思うようになった。10歳から生け花を習ってきたので、花屋ならやれる。すると無類の本好きである夫も蔵書を提供することに。夫の祖母の育てた野菜が転がっていた車庫を手作りで改装し、フラワーアレンジメントと私設図書館の小さな店が誕生した。「孫平」は夫の実家の屋号。SNSなどから情報が広まり、近所の人や遠方から寄贈される本で蔵書は絵本から専門書まで幅広いラインナップに。利益の出る店ではないが、目的は人とのつながり。都会から新潟に来るまでは不安もあったが、それぞれの町で出会いがあり、どこに住もうと大切なのは人との出会いとつながりだと知った。この土地で「村に灯りをともす店」という看板を掲げ、今日も出会いを待っている。