もくもくつくる人@多賀茶焙煎所 #3  陶芸家 磯谷 慶子さん (67)

陶芸家
磯谷 慶子さん (67)
東京都在住

 

石神井公園近く、パキスタンのタペストリーやインドの布が垂れ下がる天井の高い工房で、たくさんの道具、機械、本などなどに囲まれて制作にいそしむ磯谷さん。
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科で陶磁を専攻。のちに、(財)柳工業デザイン研究会に勤務し、柳宗理に師事。4人しかいないアットホームな事務所で、食器からトンネルまで様々なもののデザインを経験する。あの、近未来的な関越トンネルの入口出口のデザインもチームで取んだ作品のひとつ。
10年弱勤務したのち、夢だった旅を実現するため同研究会を退職。シルクロードをラクダで1500㎞横断、タクラマカン砂漠に到達。続いてパキスタン、インドと半年かけて旅をし、果てしない自然に圧倒された。帰国後、陶芸家として独立する。
いろいろな土を使った陶磁器の作品はテーブルウエアからアクセサリーまで幅広い。中でも学生時代に作り始めたボタンは森英恵の目に止まり、パリコレ出品作品に使われたことも。
ペンダントや食器類は見た目以上に軽く日常使いがしやすい。すっきりとシャープな造形の表面に引っかき傷や染付で描かれた絵が楽しい。タコやカニなど愛嬌のある海の生き物が磯谷ワールドの住人たちだ。土以外の素材も扱い、醤油差しに付けた木製のフタも自作している。異素材との組合せを好み、手作りにこだわる。作る楽しみが使う楽しみに受け継がれる作品たちだ。


磯谷慶子 暮らしの陶磁器展 1/24(水)~4/22(月)
多賀茶焙煎所ギャラリースペースにて開催。
上越市仲町3-1-9 10:00~17:30
火曜定休
TEL.025-526-7570

★「もくもくつくる人@多賀茶焙煎所」は、3か月に一度掲載。多賀茶焙煎所ギャラリーコーナーで展示販売する作家さんをご紹介します。