妊活相談室 #100


娘に子宮頸がん予防ワクチンを打たせたほうがよいのでしょうか。種類があるみたいですが、どのように違うのでしょうか?

 子宮頸がん発症は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が性行為によって感染することが原因とされています。感染者の90%くらいは免疫反応(主に中和抗体)によりウイルスは排除され、一過性感染で終わります。残り10%は12~18か月で持続感染となり、子宮頸がんやその前駆病変を起こすとされています。子宮頸がん予防ワクチンは、ほかのウイルスと同じでワクチンで抗体を作ってHPV感染を予防することが目的です。
HPVは、130以上の遺伝子型がある小型腫瘍ウイルスです。子宮頸がんに関連するハイリスク遺伝子型は、15種類あります。なかでも欧米の子宮頸がん発生の70%、日本の60%に関与しているとされているのがHPV16型、18型です。ワクチンの種類としてはこの2つの型を対象としたワクチンが2価ワクチン(サーバリックス)と、これに尖形コンジローマの原因の遺伝子型である6型、11型を対象に加えた4価ワクチン(ガーダシル)があります。最近、さらに5つの型を追加した9価ワクチン(シルガード9)が承認発売されました。こちらは、現時点では助成の対象外です。ワクチンの種類の違いは、感染症予防の対象となるウイルスの型の数の違いです(詳細は、当院HP cocola妊活プラスで)。

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教えて! 大島先生ってどんな人?

趣味:温泉(特に赤倉温泉)につかることと、雑誌ニュートンを読んで宇宙の端とブラックホールを想像すること。
好きな食べ物:ラーメンとチャーハン。
座右の銘:私の好きな言葉は、「長い人生何事もあきらめない」。これは自治医大卒業後、地方まわりが多かった私への恩師教授の励ましの言葉です。
最近ハマっていること:買い換えたテレビでYouTubeが見られるので、日曜の朝に「白い巨塔」、「古畑任三郎」や「ミナミの帝王」を見ること。
小さい頃の夢:家の稼業「大島靴カバン店」を継ぐこと。