妊活相談室#38

妊娠を希望して2年たちましたが妊娠しません。受診したらどこが悪いかわかりますか?

 不妊治療の基本検査では、男性異常(無精子症、精子減数症)、卵管の通過障害が判明します。原因については不明の場合が結構多いです。よくホルモン検査、子宮卵管造影検査、精液検査や基礎体温で異常は認められず、前の受診先でどこも悪くないと言われたと、受診される患者さんがおられます。このどこも悪くないと言うのは間違いです。検査した範囲の中では異常は見られなかったということです。考え方として前に行った各検査結果の必要十分条件は最低限満たしていると考えて良いのです。
妊娠に至るまでには全部で100ヶ所のポイントがあり、全てをクリアしなければ妊娠は成立しません。例えば、精子が卵子の周りの透明帯に到達して、精子の頭部が受精反応を起こします。そこから卵子の中に入って、精子の核と卵子の核が一つになります。ここまでの過程でも10ヶ所のポイントがあります。僅かばかりの過程でも、これらが全てクリアされなければ妊娠には至りません。このミクロな経過が外から見てわかることはないわけです。一通りの検査で異常が無い場合は、目に見えない原因があるわけですから、一定の治療方針に沿った治療をお勧めします。ちなみに、一般的に異常がなければ挙児希望から半年で7割、1年で9割の方が妊娠すると報告されています。

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