妊活相談室 #125


AMH値が低いと妊娠しにくいのですか。正常値はどのくらいですか。

抗ミュラー管ホルモンAMHは、卵巣の中に卵子がどれくらい残っているかを調べるための血液検査で、卵巣予備能のマーカーとして臨床上応用されています。卵巣予備能のマーカーは、他に卵胞刺激ホルモン(FSH)、胞状卵胞数そして女性の年齢があります。AMH測定は、体外受精など生殖補助医療開始時に保険適用になっています。AMHは、卵子を取り巻いている顆粒膜細胞から分泌されるため、その測定値は卵子の数に比例すると考えられています。AMH測定値は個人差があり標準曲線がつくれないため、正常値はありません。年齢ごとに平均値が異なり、一部平均値を示すと25歳で4.1ng/ml、35歳で2. 1ng/ml 、45歳で0. 6ng/ml です。欧州の学会の報告では、AMH値が1.77ng/ml以下の場合、体外受精の排卵誘発時の卵胞刺激を最大限過剰にしても最高4個の採卵数となっています。
医学雑誌でAMHレベルは、生殖補助医療の妊娠または生児出産率と関連しているが、妊娠のための下限の明確な閾値は確立していないと報告されています。当院でも、20歳代でAMH値が0でも生殖補助医療を行い2児出産された症例を経験しております。各種文献からもAMH値より生児獲得率は女性の年齢が重要マーカーと報告されています(詳細は、HP cocola妊活プラスで)。

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