法律相談 #133

私(90歳)は一人暮らし、子どもは2人いますが、いずれも県外で生活をしています。時々隣家の女性が私の生活の世話をしてくれています。
相続のことが心配になり、税理士さんに相談したところ、「養子縁組をすると相続税の負担が軽くなる」と言われました。これからのことを考えて、その女性と養子縁組をしようと思うのですが、大丈夫でしょうか。

養親子は、親子関係になるという当事者間の契約意思により成立します。節税したいという動機は、かなり打算的ではありますが、従来から節税目的で養子縁組をして相続人を増やす例もありました。最高裁判決も、節税目的と親子関係になるという気持ちとは矛盾するものではないとして、養子縁組を有効としています。
しかしながら、子がひとり増えれば、相続になった際の争いの一因になる可能性がありますし、養子縁組をしても相続税の計算上は下記の通り制限が加えられています。
すなわち、相続税の基礎控除額は、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。つまり、子どもがひとり増えれば基礎控除額が600万円増加することになります。
ただし、法律は、養子が数名いても、実子がいる場合には基礎控除に加える養子は1人、実子がいない場合には基礎控除に加える養子の数は2人までと制限しているのです。
したがって、養子縁組をするかどうかは、諸事情を考慮して慎重に検討したほうがいいでしょう。

今月の無料相談:12/7(木)10:00~