法律相談 #103

近所に住んでいる身寄りのないご老人が「死んだら葬式を出してくれ」と私に頼んできます。お世話になったので何とかしてあげたいのですが、厄介なことにならないかと心配もします。どうしたらいいでしょうか?

 お世話になった方であれば、思い切って「契約をしましょうか?」と持ちかけてはどうでしょうか? その契約というのは、そのご老人の死後の葬式などの仕事をあなたがしてあげるということを生前に約束するというものです。「死後事務委任契約」といいます。
人が死亡すると、死亡届や葬式、病院代の支払などさまざまな事務手続きが発生します。これらは、ふつうであれば家族や親族がしてくれますが、身寄りのない方には誰もその作業をしてくれる人はいません。ご老人も自分が死んだあとのことが心配なのだと思います。
契約をするにあたっての注意点は2つあります。1つ目は、仕事の内容とその仕事にかかる費用や報酬を明確にしておくことです。仕事をするときは、もう相手はいないわけですから、追加の費用請求などをしたくてもできないからです。
2つ目は、その費用や報酬に充てるお金を相手方から預けてもらうことです。あなた名義の預金通帳にお金を入れてもらいそれを相手に管理してもらうとか、弁護士などの専門家に二人がした契約内容を伝えてお金を預けておくというのもいいのではないでしょうか。それであれば、相手の方も安心すると思います。

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