法律相談 #105

私は、夫の実家で義父と同居してきました。数年前夫に先立たれたのですが、その後も高齢になった義父の介護をしてきました。最近義父が死亡したため、夫の兄妹に義父を介護した分の遺産を分けてほしいと言いましたが、相続人でないからと断られました。何とかならないでしょうか。

 近親者が、報酬ももらわずに長期間にわたって高齢の家族の介護をすることはよくあります。そういう場合、遺産の増加や維持に多大な貢献をした(「特別の寄与」といいます)として、その対価を遺産の一部から分与されることは、公平の理念から認められるべきです。今までは、この「特別の寄与」の支払は、法定の相続分に上乗せする「寄与分」という方法で、相続人に対してのみ認められていました。したがって、設問の亡夫の妻は、義父の相続人ではないため、寄与分の主張が認められませんでした。
しかし、これは余りに不公平だということで、最近改正された民法では、「六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族」であれば、相続人に対して特別寄与料の支払いを請求できることになりました。
ただし、この請求は相続人との協議、協議がダメな場合は家裁に申立をすることが必要です。また、「相続の開始および相続人を知った時から6か月を経過したとき、または相続開始の時から1年を経過したとき」は特別寄与料を請求できないという期間制限があります。
そのため、具体的な請求の方法については、早めに弁護士などに相談したほうがいいでしょう。

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